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珪藻土materials

呼吸する珪藻土

壁職人の内装と天井

珪藻土は珪藻土特有の機能である調湿機能で6帖のお部屋の壁、天井に珪藻土建材を塗った場合、ペットボトル(2L)約1.5~2本分の湿気を吸収します。

珪藻土は直径約2~10ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の細孔を無数に持ち(細孔が多いほど吸放湿機能は大きく、湿度を調節する能力が高い)、湿気による結露と湿害を防止する効果を発揮します。(珪藻土1gにテニスコート半分〔250m2〕の表面積があるといわれています。標準テニスコート一面の面積は500m2〔151.5坪〕です。)

壁職人の細孔の機能

細孔の機能による自律的な吸放湿ですから、調湿作用は半永久的で、また、エネルギーを必要としないエコロジカルな空調でもあります。この小さな孔に湿気を取り込むことによって調湿機能を発揮します。夏場暑く湿気が多い場合はその湿気を吸収しますし、冬場湿気が少なく乾燥している場合は湿気を放出して湿度調整をします。

ホルムアルデヒドの削減

石灰はホルムアルデヒドの吸着・分解能力が大変高く、さらにアルカリ性なのでカビにも強い性質を持っています。最近になって少しずつ石灰の持つ良さが再確認されはじめましたが、昔は一般家庭の壁は石灰を原料にした漆喰壁でした。漆喰壁は現在、お城やお寺の壁くらいになってしまいました。外壁の白い壁が漆喰です。

壁職人のカビにも強い外壁
壁職人の石灰

その石灰を使った原料としている漆喰や、珪藻土建材の中でも石灰を固化材としているものはホルムアルデヒドを吸着・分解する効果を得ることができます。また固化材に石灰を使用していない珪藻土建材の中にも、ホルムアルデヒドの吸着・分解剤を添加して高機能になっている珪藻土建材もあります。

CO2の削減

壁職人のセメントや石膏

漆喰の主原料の石灰は、セメント・石膏などが水と反応して固まる水硬性に対し、消石灰と空気中のCO2吸収による炭酸化(炭酸カルシウム)によって硬化する気硬性です。つまり石灰がCO2を吸って減らしてくれるのです。壁、天井材にビニールクロスを使用せずに、石灰が含まれている漆喰や珪藻土建材を使用することによって地球温暖化の原因でもあるCO2を削減することができます。

珪藻土の種類

珪藻土の産地は日本では約80ヶ所前後あります。
有名な所では北海道・秋田・石川・島根・岡山・大分などあり、世界でもアメリカ・カナダ・ドイツ・フランスなど世界中で採掘されています。自然の物ですので、ひとくちに珪藻土といっても珪藻の種類や上層部、下層部から採掘されたものによってPHも弱酸性から強アルカリ性のものまで様々あります。

現在、市場に出回っている『珪藻土(けいそうど)製品』は、5万~10万種類の珪藻土の種類があり、大きく分けると“自然乾燥品”、“焼成品”、“融剤添加焼成品”の3種類に分けられます。

自然乾燥品 自然に乾燥させているため不純物を含む。しかし価格が安い。
焼成品 自然乾燥品を約800度で焼いたもの。
融剤添加焼成品 自然乾燥品に食塩とソーダ灰を加え、約1000度で不純有機物やカーボンなどの目詰まり物資を 燃焼除去した物で高級品です。 脱色して白い色になり、白珪藻土になります。
壁職人の珪藻土の仕組み

ソーダ灰(Na2CO3)って・・ 炭酸ナトリウムまたは炭酸ソーダといわれるアルカリ性物質。水溶液は強いアルカリ性を示します。

壁職人の市販の珪藻土製品

花菱産業で販売している珪藻土建材に入っている珪藻土製品は・・・・

自然乾燥品 サメジマコーポレーション商品・吉野石膏商品サメジマコーポレーション商品はカラーによって焼成品を使っているものもあります。
焼成品 サイト販売商品の中には該当品なし
融剤添加焼成品 四国化成商品・ワンウィル商品・フジワラ化学商品・日本化成商品

精製された珪藻土の最大の用途は飲料水・ビールなどのろ過材として使われています。

なぜ,珪藻土はろ過に適しているのでしょうか?
珪藻は,1mmの数十分の一から数百分の一という小さな体に殻をもち、その殻には更に微小な孔(直径0.1~1μm)が空いています。この小さな孔が,フィルターとして機能するのです。

例えば、キリンビールやサントリーなどで実際にビール製造の最終段階において熟成の終わったビールのろ過に使用されビールのろ過材として使われています。使用済み珪藻土は、ビール酵母やタンパク質を含んでいるため、乾燥土質の土壌改良や肥持ちを長くする効果や、植栽用のバーク堆肥などとして再活用されています。

では、ろ過材としての利用以外にどういう用途で使われているのでしょうか?
例えば・・・

  • ■ 輪島塗の下塗材として江戸時代より焼成粉末にして(地の粉)を作り、漆に混入して下地を作る工法(本堅地法)が開発されて使用されてきました。
  • ■ 石川産などは七輪が有名です。珪藻土から作られた七輪は優れた耐火断熱材で、他の素材に比べ、外側がやけどするほど熱くならない。内壁から遠赤外線を放射するので炭火の遠赤外線を増幅、さらに燃料が少なくてすみ、後始末が楽等の特長があります。
  • ■ 発明家のノーベルは、ニトログリセリンを珪藻土に吸収させ、安定させた爆破薬『ダイナマイト』を発明しました。 (ニトログリセリンはノーベルが生まれる以前から使用されていましたがニトログリセリンそのものはすごく不安定な物質なのでそれ以前は扱いが難しかった)
  • ■ 珪藻土を建材として使った最古の建築物は、トルコ・イスタンブールの『聖ソフィア教会堂』が有名です。

では、今の日本では建材としての珪藻土が注目されていますが実際のところどうなのでしょう!?
建材としての左官壁材料は種類が40~50種類で“ピン”から“キリ”まであります。

『 珪藻土建材 』 = 『 自然素材 』

と思っている方も多いのですが、珪藻土自身では固まることが出来ない為、固める『固化剤』と言われる物が必要になります。『固化剤』として化学樹脂糊が使われている商品が大半です。
今までは左官屋さんや業者向けに商品開発されてきましたので、材料を薄く(2~3mmぐらい)塗るようにすることが出来るように化学樹脂糊を含有させているものが多く自然素材だけではないのが実情です。

珪藻土建材には“ピン”から“キリ”まであると前述したように珪藻土建材の珪藻土の含有率は、10%未満~90%以上と大きな幅があります。 一概には言えませんが、一般的には含有率が低いものほど固化剤として化学樹脂糊を使っているものが多く、価格も安い傾向があります。

固化剤として使われている材料も、石灰系、植物のり・澱粉系、化学樹脂系と様々ありますのでそれぞれの製品を比較検討しご自身で納得のいく建材商品をお選びください。

実際のところ含有率や内容物などの公開は製造メーカーが自主的公開しているだけで含有率や内容物などの検査機関やJIS規定などもまだありませんので、あくまでも製造メーカーの発表です。

では、珪藻土の含有量が多ければ多いほどいいのでしょうか。これも一概に言えません。
含有量が多ければ調湿機能がより良くなるという訳ではありません。
その他の含有物とのバランスや相性によって調湿性能は変わってきます。
(商品によっては含有物の違いから機能が十分に発揮されず、珪藻土本来の効果が得られない場合があります。)

仕上げに関しても珪藻土建材は漆喰のように平滑でフラットな仕上げは難しく完全に平滑にする事はできません。

また、珪藻土建材やその他の塗り壁を、お施主様自ら施工する方が多くなりましたが珪藻土建材はもちろんその他左官材料の大部分が、強アルカリ性の物が多く、素手で触ると手荒れ防止対策などその他注意事項を守った上使用する事が大事です。

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